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中国の都市鉄道拡大 ソフト面に課題も

 中国の都市軌道交通(地下鉄、都市圏鉄道、ライトレール、トラムなどを含む、以下「都市鉄道」)の規模拡大が著しい。(野村総合研究所(上海)・板谷美帆)

圧倒的に多い利用者

 都市鉄道は市民の通勤通学、移動の足であり、利用者数が圧倒的に多いのが特徴である。2018年の1年間に中国全土で延べ211億人が都市鉄道を利用し、北京市だけでは延べ38.5億人が利用している。多くの人が生活の一部として日常的に利用することを考えると、その普及拡大や利便性、快適性の向上は非常に重要であり、大きな意義を持つものである。

 中国城市(都市)軌道交通協会の統計によると、18年末現在で中国の都市鉄道は計35都市、185路線が開通済みであり、総延長距離は5761キロに達している。このほかに、建設中の都市鉄道案件がある都市が53都市(総延長距離は計6374キロ)あり、さらに承認済みで未着工の都市鉄道建設計画がある都市は63都市(同計7611キロ)に上る。

 これらが将来全て開通したとすると、中国全体の都市鉄道総延長距離は約2万キロと、現在の3.5倍にまで拡大することになる。東京の地下鉄路線規模(同約300キロ)を上回る都市鉄道を有する都市が中国全土に20カ所以上存在し、最大規模となる首都北京の都市交通総延長距離は約1600キロまで拡大することになる(18年末現在で約710キロ)。

 近年、飛躍的拡大を遂げている中国都市鉄道においては、先進技術の導入も積極的に行われている。例えば、中国ではスマートフォンと電子決済の高い普及率を背景とし、QRコードによる自動改札システムが普及している。北京市地下鉄では、スマホに専用アプリをダウンロードしてアカウントを作成し、そのアカウントに電子決済口座をリンクさせることで、地下鉄の出入場や運賃決済を行うことができる。出入場時には、スマホに表示されるQRコードを自動改札機にかざすだけでよい。

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