海外情勢

欧州銀も統合模索活発化 “決裂”ドイツ銀はUBSと?

 欧州金融機関の再編機運が高まりつつある。欧州中央銀行(ECB)がマイナス金利を導入して6月で丸5年となり低金利政策が長引く中で、関係者からも経営基盤強化の必要性を訴える声が上がる。ドイツ大手銀行同士の経営統合交渉は決裂したが、国境を越えて合従連衡を模索する動きは強まりそうだ。

 「(経営統合には)意味がある」。フランス大手ソシエテ・ジェネラルのウデア最高経営責任者(CEO)は英紙に、欧州の大手金融機関の再編が重要だとの認識を示した。ソシエテ・ジェネラルはドイツ銀行との統合を見送ったコメルツ銀行に関心を持つとされる。

 欧州の金融当局者からも再編を求める声が相次ぐ。ECBのデギンドス副総裁は5月初めの講演で「統合は依然として必要だ」と強調。スペイン銀行(中央銀行)のデルガド副総裁も効率性向上につながると指摘したという。

 欧州連合(EU)に加盟する28カ国内には、2017年時点で6000を超える金融機関がひしめく。激しい顧客獲得競争と低金利政策による利ざやの縮小が相まって、金融機関の経営体力が削られている状態だ。

 そうした中、4月にはフランス大手のクレディ・アグリコルとスペインのサンタンデール銀行が有価証券の管理業務部門を統合すると決定した。

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