海外情勢

米金利維持「しばらく適切」 議事要旨、物価低迷「一時的」

 【ワシントン=塩原永久】米連邦準備制度理事会(FRB)は22日、政策金利の据え置きを決めた4月30日、5月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表した。会合の参加者は、景気の先行きを「忍耐強く」見守る姿勢を維持するのが「しばらく適切だ」と指摘。当面は利上げも利下げも必要ないとの認識で一致した。

 パウエル議長は1日の記者会見で「利上げ、利下げとも十分な根拠がない」と述べていた。公表された議事要旨からも「景気改善が緩やかで、物価が伸び悩む条件下」では、現状の政策を維持するとのFRBの方針が確認された。

 物価上昇率はFRBが目標とする2%を下回っている。議事要旨によると、参加者は、物価の伸びが勢いを欠くのは衣料品などの価格下落といった「一時的要因」によるものだと分析。景気を刺激して物価を押し上げる利下げの必要性を指摘する見解は出なかった。

 ただ、数人の参加者が、「物価を下押しするリスクは大きくなっている」との認識を表明。市場の物価見通しが長期にわたって低迷すれば、2%の物価目標の達成が難しくなるとして警戒した。

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