海外情勢
蔡総統、予備選落選の危機も 台湾与党が政見発表 懸念払拭に躍起
台湾で来年1月の総統選に向けた与党、民主進歩党(民進党)の公認候補を決める予備選を前に、蔡英文総統と頼清徳前行政院長(首相)が8日、政見発表会を開いた。民進党は昨年11月の統一地方選で大敗、総統選でも苦戦は必至だが、来年5月の新総統就任まで任期を約11カ月残して現職総統が予備選で落選してしまう可能性すら出ている。
政策発表で、蔡氏は「年金改革や国防、経済など、誰も実現できなかった政策を勇敢に推進した。主権問題では中国に一切妥協しなかった」と述べ、総統就任後の約3年間の実績を誇った。頼氏は「総統に当選したら、中国から台湾を守るための国防政策や政治改革、経済など4つの目標を実現させる」と意気込みをアピールした。
予備選は今月10~14日に実施する世論調査で当落を決定、台湾メディアなどによると、13日にも結果が判明する。最大野党、国民党も予備選を7月に実施、今回初めて民進党と同様、世論調査の結果だけで競う。
民進党は世論調査で決定する仕組みを2012年総統選の予備選に導入した。
かつて党員投票を行った際、民意と懸け離れた派閥力学が幅を利かせたり、有力派閥が党費を肩代わりして多くの党員票を確保したりした弊害を防ぐことが狙いだ。だが、政権内から「世論調査だけで決定するのはおかしい」との声が聞かれるなど、大衆迎合(ポピュリズム)選挙になりかねないことへの批判もある。