国内

外国人急増、小規模自治体も宿泊税導入検討 住民負担なく議会容認

 ホテルや旅館の利用客から徴収する地方税「宿泊税」を導入する動きが各地に広がっている。大都市が先行した後、リゾート地を抱える小規模自治体も相次いで検討を始めた。国内外の旅行者が主な徴収対象で、地域住民の税負担は基本的に増えないため、議会の理解を得やすいことが背景にある。

 「外国人の増加が急で、対応が追いつかない」。パウダースノーを求める各国のスキーヤーの評価が高まり、ここ10年で高級リゾート地として大きく発展した北海道倶知安町。町の担当者は、ため息交じりに語った。

 町を訪れた外国人の延べ宿泊者数は2017年度に43万人に達し、10年前の約3倍。これに伴い案内所の拡充など関連経費も膨らみ17年度に8900万円となり、一般会計の規模が約90億円の町にとって軽視できない。

 30年度には北海道新幹線の倶知安駅開業を控え、観光客は一層増える見通しとなっており、町議会は18年12月、宿泊税条例を可決。今年11月から、1人当たり宿泊料金の2%分を徴収する。

 宿泊税は、都道府県や市区町村が条例を定め、独自に課す「法定外税」だ。国の補助金などに頼らず、自ら財源を確保する試みで、地方自治の充実に欠かせない。

 しかし総務省によると導入例は今年6月時点で、神奈川県山北町の砂利採取税や山梨県富士河口湖町の遊漁税など計41件にとどまる。17年度の税収は計約560億円で地方税収に占める割合は0.1%程度。導入しようとすると関係者の強い反発に遭うのが要因とされる。

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