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ESG投資、環境整備が課題 国交省、物件情報開示など指針策定へ

 国土交通省は、環境への配慮や、地域経済に対する貢献などを指標とした不動産投資の普及を目指している。地球温暖化防止、雇用創出につながる物件の開発に資金が向かうようにする。物件に関する十分な情報開示が前提で、来年度中にも指針を策定する。物件開発業者の負担を軽くする税制優遇も検討していく。

 こうした取引は、環境、社会、企業統治を意味する英語の頭文字から「ESG投資」と呼ばれ、欧米では企業への投資から不動産に拡大している。

 一方、日本は短期の価格上昇を当て込んだ不動産投資が主流で、海外から資金を呼び込むためにも環境整備が求められている。

 国交省が対象として想定しているのは、地球温暖化の防止に役立つ省エネ性能の高いビル、働く人の健康を意識して調光や休憩室を工夫したオフィス、災害への対応力を高めたビルなど。中小企業が利用できる研究開発拠点、空き店舗を改修した物件など、地域社会への貢献も投資対象の分野になるとみる。

 これらの投資判断の指標は、二酸化炭素(CO2)排出の削減量、従業員の満足度、地域経済への波及効果が考えられるが、客観的に評価できる仕組みが前提で、一定の情報開示の基準が求められる。投資先として価値の高い物件は建設コストも上昇しがち。国交省は、物件が安定的に供給されるよう開発業者向けの税制優遇措置も必要とみている。

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