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横浜市、山下ふ頭にIR誘致へ 「白紙」一転、週内にも発表

 横浜市がカジノを含む統合型リゾート施設(IR)を誘致する方針を固めたことが19日、複数の市関係者への取材で分かった。候補地は山下公園に隣接する山下ふ頭(同市中区)とし、週内にも林文子市長が記者会見で正式表明する。

 国は2018年7月に成立したIR整備法で、立地区域を全国で最大3カ所としており、既に誘致を表明している大阪府・市、和歌山、長崎両県との競合が予想される。

 関係者によると、市は今年9月の市議会定例会に、約2億6000万円の誘致関連費用を計上した補正予算案を提出する。担当職員を増員し「IR推進室(仮称)」を設置する。

 国はIR立地区域の選定基準などを示す基本方針を公表しておらず、林市長もこれまで、誘致について「白紙の状態」としてきた。

 しかし、方針が示された後に速やかに事業者の募集など準備を進めるためには、早期に態勢を整えることが必要と判断したとみられる。

 横浜市は米カジノ大手ウィン・リゾーツなど事業者12団体に協力を求め、IR開業後の経済効果は最大で年間1兆6000億円になるとの試算を5月に公表。既に市民向けの説明会も開いた。

 横浜商工会議所は7月、誘致を求める要請文を林市長に提出。一方、説明会に参加した市民を対象としたアンケートでは「ギャンブル依存症の増加が不安だ」「治安の悪化につながる」などの声が寄せられた。

 横浜市はIR推進に積極的な菅義偉官房長官の地元でもある。

 候補地の山下ふ頭は47ヘクタール。既に観光や集客施設を柱とした再開発計画があるが、敷地内で倉庫を営業する事業者らによる横浜港運協会はカジノに反対して移転に応じない方針で、混乱も予想される。

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