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「騒音」「活性化」羽田新ルート賛否 観光業界は期待、根強い反対も
現在の国際線(昼間)の発着回数は年間約6万回だが、新ルートの運用で約3万9000回増える。1時間に最大44便が通る計算だ。国土交通省の試算では、経済波及効果は約6500億円に上り、旅行会社の一つは「旅行者の増加につながるため、大いに期待している」と前向きに捉えている。
国は5年前にすでに新ルートの計画を公表、住民説明会なども繰り返し開き、理解を求めてきた経緯がある。8月7日には3年ぶりとなる地元自治体との協議会を開催。秋以降にも関係自治体での説明会を再度行うことも検討しているという。
騒音対策は
問題は騒音対策だ。
国交省は飛行高度が1000メートル以下になると、最大60~80デシベルの騒音が発生すると予測。80デシベルは「走行中の電車内の音」に相当する。
このため、着陸に向けた進入角度を3・0度から3・5度に変更。羽田空港までの飛行高度を上げることで、騒音をなるべく軽減させようとしている。
ただこれに対しては、羽田プロジェクトの会見に同席した元日航機長の杉江弘さんが「世界的にもほとんど例がない急な角度。操縦の難度が増す」と指摘している。国交省は「安全性に問題はない」との立場を示し、昨年から防音工事の助成制度を拡充し、住民側の理解を求めている。
8月末には小型機を飛ばし、空港設備の点検も始めた。来年1月末以降は、実際に旅客機による試験飛行も予定されている。
国際空港間の都市間競争が激しくなる中、首都圏空港の機能強化は欠かせない。大阪(伊丹)空港や福岡空港も市街地に近接しており、国は他の空港の事例を参考に住民の理解を図りながら、今後の対応策を練る方針という。