株価・外為

REITに資金流入続く 東証指数12年ぶり高値圏

 不動産投資信託(REIT=リート)市場が活況だ。東京証券取引所に上場するリートの値動きを示す東証リート指数の19日終値は2119ポイント。昨年末から2割上昇し、12年ぶりの高値圏で推移している。世界的な低金利環境が続く中、分配金利回りの高さにひかれ、投資マネーがリート市場に流れ込んできている。

 19日発表された都道府県地価(基準地価)は商業地の全国平均が3年連続で上昇、住宅地も下げ止まりがみられた。東京五輪など大型イベントがめじろ押しで、不動産開発が当面続くと期待されている。

 低金利環境もリートには追い風だ。リートは投資家から集めた資金で不動産を取得し、賃貸収入や売買益を投資家に分配する。上場リートの分配金利回りは現在約3・6%と、債券などと比べて高水準を維持。為替リスクを伴わない点も魅力だ。

 貸出先に困った地方銀行や信用金庫のほか、最近は生損保もリート投資を積極化している。特に長期で運用する生命保険会社は不動産との相性がいい。ある生保関係者は「証券化されたリートは現物よりも柔軟な運用が可能なため注目している」と語る。

 今後について、SMBC日興証券の鳥井裕史シニアアナリストは緩やかな上昇相場を見込むが、「英国の欧州連合(EU)離脱などの動向によって、金融システムに悪影響が出るようなことがあれば、急速に資金を引き揚げる動きも出かねない」と注意を呼びかけている。

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