ドゥテルテ大統領の強力な政策でマニラを含むルソン島の治安は確かによくなったが、一方、元々治安がよいとされてきたセブ島などが悪化傾向にあるとセブ島でオンライン英会話スクールを営む日本人は話す。マニラなどからならず者が地方へ移動しているからだという。
治安改善は国民も織り込み済み、政権はこれから正念場
治安改善には成功しつつあるドゥテルテ政権は、これからが正念場となる。治安はよくなっているが、経済状況は横ばいだからだ。
この数年の経済成長率は、2014年6.15パーセント増、15年6.07パーセント増、16年6.88パーセント増、17年6.68パーセント増、18年6.2パーセント増、19年(予測)6.48パーセント増(いずれもIMFより)と着実に中成長を遂げているも横ばい状態が続く。
また、フィリピン国家統計局による失業率を見てみると、2014年6.6パーセント、15年6.3パーセント、16年5.5パーセント、17年5.7パーセント、18年5.3パーセントと緩やかに改善はしてしるが、雇用自体がそれほど増えていないことを示している。
しかし、ドゥテルテ大統領は、就任当初からまず治安改善を最優先させて、それから経済へ着手する方針を示してきたので国民にとっては織り込み済みといったところか。あふれるストリートチルドレンや激悪の交通状態、ニノイ・アキノ国際空港の老朽化や利便性の向上など短期滞在者視点でも注目したい課題は多い。ドゥテルテ政権の真価が問われるのはまさにこれからだろう。(筑前サンミゲル/5時から作家塾(R))