海外情勢

香港デモ、習近平政権は長期戦へ方針転換 「期限」の国慶節まで1週間

 デモ隊側が懸念しているのは、一国二制度が形骸化し、香港の自治と自由を失うことだ。中国当局は「一国二制度や高度な自治を貫徹する」(習近平国家主席)と主張するが、王教授は一国二制度に存在する「問題や不足」について総括し、有効な措置をとるよう提言した。抗議活動の拡大になすすべがない現行の一国二制度に対する問題意識をあらわにした形だ。

 中国側が想定する「法律戦」の究極的な手段が、駐留する人民解放軍の出動を可能にする香港基本法14条や、中国本土の法律を施行できる同18条の適用だ。通信や集会の自由などを制限する「緊急状況規則条例」の発動も視野に入れる。

 王教授はデモ隊について「香港をかく乱し、さらに(中国)全国に拡大させ、中国の発展を阻止する最終目的がある」と指弾し、「最悪に備えた、長期的な準備」を呼びかけた。

 中国メディアなどへの情報統制が奏功し、中国本土に香港の反政府デモが飛び火する兆しは今のところみえず、むしろ香港人を嫌悪する“愛国的”な気分が広がりつつある。ただ今後、反政府的な抗議活動が国内に拡大するなどの事態に至れば、習指導部が武力介入する選択肢は残っている。

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