インタビュー

日本政策投資銀行 日米貿易協定、景気に悪影響ない

 日本政策投資銀行経済調査室長・宮永径さん(51)

 --日米貿易協定の合意をどうみている

 「米国産コメの無関税輸入枠は見送り、全ての農産品が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の水準以内の関税率に収まった。全て譲ったわけではない。米国が協定の締結を急いでいて、早期妥結した。第2段階の交渉が始まるといわれているが、本格的には来年の大統領選後とみている」

 --2.5%かかっている日本から輸出する自動車の関税を撤廃できなかった

 「バーターで勝ち取るべきとの意見もあったが、今回の決定は、先行きを見据えた高度な貿易議論のなかで行われた交渉だ。自動車(で関税撤廃)を勝ち取ろうとすると、何かを譲らないといけなかった」

 --経済効果は

 「消費者にとっては、ワイン、牛肉が安くなり、景気に悪影響を与えることはまずない。しかも、日米貿易協定が結べたことで、不透明感が払拭できた。短期的な景気面でいえば、問題ない。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)やTPPが発効したときも消費者物価指数は下がらなかったので、大きな影響はない」

 --企業に与える影響は

 「設備投資アンケートを当社で実施しているが、まだ投資意欲は強いままだ。自動車に対する25%の追加関税が回避されたことも前向きな材料となるだろう。ただ、米中貿易摩擦や、英国のEU離脱(ブレグジット)の行方などほかの要素の不透明感は拭えない」

 --日米合意の結果に点数をつけると

 「70~75点はつけられるのではないか。日本と米国は友好国ということもある。対峙(たいじ)する関係ではない。得てきた利益を守っていくことが大きかったといえる」

                   

【プロフィル】宮永径

 みやなが・わたる 東大経卒。1993年、日本開発銀行(現日本政策投資銀行)。調査部副調査役、環境省出向などを経て、2017年6月から現職。チーフエコノミストも兼ねる。福井市出身。

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