海外情勢

イギリス下院、早期成立の動議は否決 10月末の離脱困難に

 【ロンドン=板東和正】英国の欧州連合(EU)離脱問題で、英下院は22日夜、離脱に必要な関連法案の大枠の賛否について審議し、賛成多数で可決した。しかし、ジョンソン首相が提出した10月末の離脱実現に向け関連法案を早期に成立させるための動議は僅差で否決された。関連法案の骨格が下院で承認されたことで、EUとの円満離脱が一歩前進した形だが、ジョンソン氏が公約に掲げる10月末の離脱の実現は困難になった。

 関連法案は、ジョンソン氏が17日にEUと合意した離脱協定案を国内で批准させるために必要な法律。英下院は19日、関連法案が上下両院で成立するまで、協定案の採決を保留するとの動議を可決した。

 そこで、ジョンソン政権は速やかに関連法案を成立させるため、通常であれば下院を通過させるのに数週間程度かかる同法案の下院審議を24日までに終わらせるための動議を提出したが、反対322、賛成308で否決された。

 野党議員の大半が「重要な法案を審議するには時間が短い」として反対にまわった。

 一方、関連法案の大枠に関する採決では賛成329、反対299で、可決に必要な議長団などを除いた実質過半数(320)を上回った。

 ジョンソン政権に閣外協力し、英本土との一体性を重視する北アイルランド民主統一党(DUP)の10人が反対したものの、円満離脱を望む最大野党・労働党の19人の議員が賛成に回った。

 今後の関連法案の審議に関しては、法案の修正について議論する審議などの手続きが残る。下院を通過させて上院の審議に移るには時間がかかる見通し。

 ジョンソン氏は、離脱期限を3カ月延期するよう求める書簡を19日にトゥスクEU大統領に送付したことに触れ、「EUは議会の延期要請にどう応えるかを決定しなければならない」と発言し、延期の可能性も示唆。EUが延期についての方針を決めるまで、関連法案の審議を停止すると発表した。

 トゥスク氏は22日、英下院の動きを受け、ツイッターで「(英国を除く)EUの27加盟国に延期の要請を受け入れるよう勧める」と発言し、延期を認める考えを示した。

 一方、ジョンソン氏は「離脱期限を延期すべきではないとの政権の方針は変わらない」とし、10月末の離脱に執着する姿勢も見せた。

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