海外情勢

香港富裕層の移住先候補、アメリカは二の次 差別・治安で評価ダウン

 香港で今夏に民主派による抗議デモが激化する中、ロサンゼルスの弁護士、バーナード・ウォルフスドルフ氏は、米国に「新たな移民の波」が押し寄せると予想した。そのため中国に出張し、香港の移民アドバイザーと面会した。アドバイザーらは期待し過ぎないよう同氏にくぎを刺した。

 「私が聞いた話によれば、多くの人が香港を離れるものの、米国は第1の目的地ではない」とウォルフスドルフ氏は話す。「現時点で米国は最も望ましい選択肢と見なされていない」と述べた。

 世界で情勢が悪化すると、米国は特に富裕層にとって伝統的に安全と安心を提供する避難先としての役割を果たしてきた。米国に移住している香港市民の数は既に中国本土以外では最多であるうえに、最近のデータはさらに多くの人が香港を去ろうと考えていることを示している。公式データによると、重要な海外移住書類である「善良な市民権」文書の申請は過去1年間で54%増加している。

 ただ、米国での移民に反対する政治的発言や、注目を浴びる銃撃事件の発生、近く予定されている投資家向け査証(ビザ)プログラムの改定を受け、香港の海外移住希望者は、オーストラリアやカナダ、シンガポール、台湾など他の選択肢を検討している。

 香港で抗議運動が始まる前でさえ、米国は魅力を失いつつあった。香港中文大学による昨年12月の調査によると、香港市民の3分の1が海外移住を検討していると回答。最も人気のある目的地はカナダとオーストラリアで、回答者の割合はそれぞれ少なくとも18%だった。その次が台湾の11%、シンガポールの5%。米国が第1希望との回答は2.9%だった。(ブルームバーグ Ben Steverman、Shawna Kwan)

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