海外情勢

イギリス金融機関、行員の休暇取得禁止 迫るEU離脱期限、不測の事態懸念

 シティー(ロンドンの金融街)にとって、それは今年最大のイベントになる。英国の欧州連合(EU)離脱期限の10月31日を控え、金融機関は行員の休暇取得を禁じ、流動性へのアクセスを確保し、危機管理計画の実行に備えるなど、安全第一の運営を行っている。

 金融機関にしてみれば危険度は高い。ポンド相場や英国の株価が10%動く場合、負ける側には立ちたくない。トレーダーにとって、市場のボラティリティー(変動性)はチャンスと危険が隣り合わせだ。しかし、相場変動の潜在的規模や想定される多くのシナリオ、既に2度にわたり延期された期限が流動的であることが、英EU離脱のリスクを極端に大きくしている。

 みずほ銀行とステート・ストリートは、離脱期限にかけて休暇を取らないようにセールスおよびトレーディング担当者に指示しており、バンガード・グループは、影響のリスク管理のため過去3年でかなりの資源を投入したことを認めた。

 レコード・カレンシー・マネジメントのジェームズ・ウッドコリンズ最高経営責任者(CEO)は「10月31日の夜9時、10時の段階で、離脱延期が認められるかどうか市場がやきもきしていると、延期が承認されず、英国が30分後に離脱するというニュースが飛び込んでくる状況を想像できるだろう」と語った。

 ニューヨークのクローズと東京・アジアのオープンに挟まれ、流動性が低く、フラッシュクラッシュの危険が増幅される魔の時間「ウィッチングアワー」と重なれば、市場にとって最悪のシナリオとなる。

 この件で発言する権限がないことを理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、英銀HSBCホールディングスは、スタッフをフルで配置し、必要に応じて顧客にクォート(建値)を提示し、大口トレードを提供できるよう流動資金への十分なアクセスを確保する。

 FXスポットストリームのアラン・シュワルツCEO(米ニュージャージー州在勤)は「ロンドンに配置する人員を増やし、ここでも増やし、東京でも増やすつもりだ」と話している。(ブルームバーグ Charlotte Ryan)

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