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豚コレラ対策 農水省が計画 ワクチン入り餌、山中散布も

 農林水産省は11日までに、豚コレラの新たな対策として防衛省と連携し、野生イノシシ向けのワクチン入り餌を自衛隊のヘリコプターで空から山中に散布する計画を明らかにした。

 ワクチンを接種した豚の肉の出荷が15日以降に順次始まる見通し。江藤拓農水相は記者会見で「接種した豚の肉を人が食べても安全だと周知したい」と述べた。

 農水省は防衛省の協力を得て、主な感染源とされる野生イノシシ向けのワクチン入りの餌を空中から散布する実験を11月中に実施する方針。具体的な実施地域などは現在詰めており、実験を踏まえ12月以降に本格実施する方向だ。

 これまでワクチン入りの餌は、群馬、埼玉、富山、石川、福井、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀の11県で県職員らが手作業で地中に埋めてきた。空からの散布も合わせて作業を効率化し、感染したイノシシが生息する地域が広がらないようにする狙いがある。

 農水省は豚コレラワクチン接種の推奨地域に12県を選定し、10月25日から接種が始まっている。厚生労働省の通知で、ワクチン接種後の経過を見るため、接種後20日間は食肉処理の際に必要な検査の手続きをしないことになっている。接種の早かった富山、石川、福井、岐阜、愛知、三重の6県の豚は11月15日から検査手続きが可能になり、食肉処理場で処理して出荷ができる状態になる。

 江藤氏は出荷に当たり、食肉処理場のウイルス拡散防止措置が「極めて重要な課題だ」と指摘。国内有数の処理能力を持つ群馬の施設を11日に視察し、消毒の状況などを確認するとした。

 接種推奨地域は群馬、埼玉、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀の12県。山梨を除く11県は接種を始めている。

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