予算、過去最大102兆6580億円 来年度案決定 社会保障費負担重く
政府は20日、総額が過去最大を更新し102兆6580億円となる2020年度予算案を閣議決定した。教育無償化など安倍政権が掲げる全世代型社会保障の負担が重く、2年連続の100兆円超えとなった。消費税増税対策の「臨時・特別の措置」にも多額の費用を手当てし、景気底上げにも配慮したため、歳出の伸びが税収増を上回る結果となり、政府の財政健全化の目標達成は一段と厳しくなった。
20年度予算案は、10月に消費税率を10%へ引き上げた効果を反映し、財源となる税収を過去最高額の63兆5130億円と見積もった。
ただ、米中貿易摩擦などによる景気減速で、法人税や所得税は減少する見通しで、政策経費をどれだけ税収などで賄えているかを示す基礎的財政収支は、9兆2047億円の赤字に悪化。目標の25年度黒字化達成が遠のいた。
安倍晋三首相は消費税率引き上げの際に、増収分の使い道を一部変更し、高齢者中心から教育無償化や介護人材の処遇改善といった全世代型社会保障への転換に充てることを決めた。20年度予算は、新たに始める大学などの高等教育無償化や、10月にスタートした幼児教育・保育無償化の1年分の費用を計上。社会保障関係費は19年度当初比5.1%増の35兆8608億円に拡大した。
増税の臨時・特別措置には、19年度補正予算案と合わせ「15カ月予算」として一体編成した経済対策を反映し、自然災害の被害を最小限に抑える「国土強靱化」などに1兆7788億円を充てた。
財務省は21年度には計上しない方針だが、景気減速で新たな対策を求められる事態も想定される。
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になり始める22年以降、医療や介護などの社会保障費がさらに急増することが見込まれる。抜本的な歳出改革や、財源確保に向けた取り組みを急がない限り、一段の財政悪化が避けられない見通しだ。