海外情勢

米中第1段階合意署名 中国、22兆円追加購入 第2段階は不透明

 米中両国はワシントンで15日(日本時間16日未明)、包括的な貿易協定の「第1段階」と双方が位置付ける合意に署名した。ただ対中経済関係の仕切り直しを図るトランプ政権の取り組みがこれ以上前進するかについては疑問視する見方が根強い。

 合意文書には、中国の企業と政府機関による米国の技術と企業機密の窃取に対し中国側が取り締まりを強化するとの公約のほか、対米貿易黒字の縮小に向けた中国による今後2年間で2000億ドル(約22兆円)相当の追加購入計画の概要などが盛り込まれた。

 貿易上の優位性を得るための為替操作を中国が控えることや、合意を確実に履行させるための制度も合意文書に明記された。過去の米政権が中国との間で行っていた経済対話も再開させる。

 ホワイトハウスで行われた署名式にはトランプ大統領や米議員、中国の劉鶴副首相ら代表団のほか、米実業界代表が出席。トランプ大統領は「非常に重要で特別な機会だ」とした上で、自身が不当と見なす過去の協定の是正が「おそらく自分の大統領選出馬の最大の理由」であり、米中両国は「過去の過ちを一緒に正しているところだ」と語った。

 一方、中国の劉副首相は「合意は、両国が相違を埋めるため協力できることを証明し、中国と米国、世界全体にとって良いことだ」とする習近平国家主席から大統領に宛てた書簡を読み上げた。劉副首相は通訳を通じ、「米国側が中国企業を公正に扱うよう期待する」とし、自身の発言として「中国は合意を厳密に履行する」と語った。

 今回の合意では、中国の国家資本主義モデルの中核を成す補助金の改革などの問題は手つかずのままとされた。こうした課題の多くは第2段階の交渉で取り上げるとトランプ政権は説明するが、協議開始の時期や合意取りまとめにかかる期間は不確定だ。

 さらに、米国が中国からの輸入に課している関税の3分の2程度は維持され、トランプ大統領は15日、中国が一層の改革に応じるまで重要な取引材料として温存する考えを示した。

 トランプ大統領は第1段階合意について、「これが発効し次第、われわれは第2段階を開始する」と発言。「交渉材料を失わないよう、第2段階が可能になった場合のみ私は関税を撤廃することに合意するつもりだ。われわれが第2段階を終えれば、関税はただちにすべて撤廃されるだろう」と明言した。

 合意署名に先立ち、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は記者団に対し、トランプ政権として当面は第1段階合意の実行に重点を置いたと説明。さらなる交渉はその後になるだろうと述べた。初期段階の実行には春までかかる可能性があるとしている。

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