海外情勢

売却で10億ドルも… 韓国コスメを譲って巨万の富 創業者ら恩恵

 欧米企業による韓国化粧品会社の株式買い上げが相次いでいる。この結果、被買収側の韓国コスメブランドの創業者らは巨万の富を手に入れている。

 売却で10億ドル得る

 スキンケア・化粧品大手の米エスティローダーは昨年11月、韓国のスキンケアブランド「ドクタージャルト」を展開するハブ&ビーの買収を発表した。創業者のイ・ジヌク氏は買収で約10億ドル(約1100億円)を得たとみられる。

 これまでにも2018年10月に米金融大手ゴールドマン・サックスが韓国で化粧品事業を手掛けるキム・ジョンウン氏率いるGPクラブの株式5%を6700万ドルで取得している。英蘭ユニリーバと仏ロレアルも韓国の化粧品会社株を取得している。

 エスティローダーがアジアの化粧品ブランドを買収するのは初。同社は15年末にハブ&ビー株の一部を買い上げたが、昨年12月に残りの3分の2を約11億ドルで購入した。イ氏は15年の株式売却益の金額を公表していないが、ブルームバーグの試算では約1億300万ドル。15年の財務諸表と同業の上場5社との比較による企業価値を基に算出した。

 ハブ&ビーの年次報告書によると、エスティローダーによる1回目の資金注入を経た16年の売上高は約75%増の2372億ウォン(約226億円)。18年の売上高は4691億ウォンだった。

 エスティローダーは買収の理由について「ハブ&ビーが皮膚科学と芸術的表現、革新を起こす卓越した能力を融合し、高品質のスキンケア製品の製造を目指している」ためとしている。

 ハブ&ビーは、イ氏がスキンケアと肌の補正を同時に完成させるBBクリームを皮膚科医との協力で開発し04年に設立。翌05年にドクタージャルトブランドの製品を発売した。同ブランドは11年に有力化粧品専門店、仏セフォラの店舗で米国に進出すると、瞬く間に大ヒットとなり、他の国際展開するブランドが急遽(きゅうきょ)、類似商品の製造に走ったほどだった。

 ドクタージャルトの製品は現在世界35カ国以上で購入が可能。韓国以外で最大の市場は中国。インターネットで安売りを行う昨年11月11日の「独身の日」には前年比4倍近い177億ウォン相当を売り上げた。

 中国進出を後押し

 ソウルのSK証券で化粧品関連を担当するヨンヒョン・チョン氏は「エスティローダーが中国市場進出を目指すに当たり同市場で既に確立したブランドを使うのがより戦略的と考えたことが、ハブ&ビー買収の動機」とみている。

 イ氏は、化粧品業界に革新を起こそうと、韓国の建築関連の会社を辞めて起業。自らが皮膚科の治療に訪れたときに起業のアイデアを得た。BBクリームは当時クリニックか薬局でしか手に入れることができず、同クリームの人気が高まると当初から予測、多くの人が使えるようにしたいと考えた。

 同氏はブルームバーグのインタビューで「化粧品は、専門知識を持つ人が、強力な資金力を持つ大企業を打ち負かすことができる分野。大金をつぎ込めば成功する分野ではない」と語った。(ブルームバーグ Yoojung Lee)

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