海外情勢

テスラが“GM・フォード”の時価総額を超える 対中投資拡大で押し上げ

 米電気自動車(EV)大手テスラが貿易摩擦を物ともせず対中投資拡大を表明し、株価が急騰している。業績や成長性を映す時価総額は今年に入り、米大手3社(ビッグスリー)の一角であるゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターの合計を抜き、新旧交代を印象づけた。

 ただ、量販車「モデル3」など3車種をめぐっては、米運輸当局が17日、意図せず急加速したとの苦情を受け、調査が必要かどうか検討していると明らかにした。約50万台が対象となる可能性があり、市場はしばらく目を離せそうにない。

 イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は7日、上海で「中国にデザイン拠点を開設し、世界へ販売する」と表明した。昨年の世界販売台数はモデル3が牽引(けんいん)し36万7500台と前年と比べ50%増えた。

 株価は最近3カ月で2倍になり、17日終値に発行済み株式数を掛けた時価総額は920億ドル(約10兆円)となった。一方、GMとフォードの時価総額はそれぞれ508億ドル、356億ドル。ともに販売台数は主力の米市場だけで200万台を超えるが、頭打ちだ。

 GMは金融危機後の2009年に破綻。米政府から巨額支援を受け再建した。フォードも一時、業績不振が深刻化した。

 貿易摩擦や燃費規制の問題を背景にGMなどが加盟する団体と、外資系メーカーを中心につくる団体は今年になって統合を発表。9割以上が参加し、業界が結束する動きが強まるが、テスラは含まれていない。宇宙ベンチャー「スペースX」も率いるマスク氏は独自路線を貫いている。マスク氏は「シリコンバレーの異端児」とも呼ばれ、ツイッターへの投稿内容が米証券当局から問題視されるなど物議を醸すことも多い。(ニューヨーク 共同)

【用語解説】中国の自動車市場

 中国は2009年に自動車販売台数が米国を上回り、世界最大となった。市場の急拡大に伴い、窒素酸化物(NOx)などを排出するガソリン車やディーゼル車による大気汚染が社会問題化。中国政府は、環境性能が優れた電気自動車(EV)の普及を推進している。販売シェアの拡大では、事故防止に役立つ自動運転機能や高速通信を活用した多様なサービスの提供など、従来の車造りにとどまらない次世代技術も鍵となっている。(共同)

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