海外情勢

中国新型肺炎 春節移動迎え感染拡大懸念 香港市民は当局発表に懐疑的

 【北京=三塚聖平、香港=藤本欣也】新型コロナウイルスによる肺炎の発症者が中国武漢市以外にも広がったことが確認され、事態は深刻さを増した。折しも中国では25日の春節(旧正月)を前に人の移動が激しくなる時期を迎えている。2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)では、春節の帰省ラッシュで感染が全国に広がっており、感染拡大が懸念されている。

 中国では春節の大型連休(24~30日)を間もなく迎えるが、その前後を含む1月10日から2月18日までが帰省期間とされている。期間中、延べ約30億人が鉄道や航空機などで「大移動」する事態が見込まれる。

 中国当局は当初、「人から人への感染の証拠は見つかっていない」と繰り返し、中国メディアも抑制的に報じるなど情報管理に神経をとがらせてきた。しかし、武漢市以外にも感染が拡大したことを受け、対策強化を迫られている。

 当局は感染拡大を防ぐため、密閉空間でのマスク着用を呼び掛けているものの、現時点で北京市内ではマスク姿は目立たず、警戒感が十分に高まっているようには見えない。

 一方、隣接する深セン市で初の発症者が確認された香港では、警戒ムードが広がっている。SARSの際に1750人が感染し299人が死亡しているためだ。

 香港政府は、武漢市訪問後に発熱などの症状が出た市民ら約100人を検査しているが、発症者はまだ確認されていない。ただ、中国共産党や香港政府への抗議活動が続く中、当局の発表に懐疑的な市民は多い。

 19日に行われた抗議集会に青いマスクを着けて参加した女子中学生(14)は「(発症者数など)中国が発表する情報は信じられない。とても心配しているが、自分で自分を守るしかない」と話していた。

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