海外情勢

ECB政策検証、未来も探る 気候変動などを次回会合から着手

 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は2020年代の幕開けを受け、戦略の大規模な再検証に着手する。

 同総裁は1年にわたる政策検証の開始についての合意を今週の政策委員会で取り付ける見通し。03年に打ち出されたECBのインフレ目標について検証するほか、格差やテクノロジー、気候変動など次の10年のトピックも話し合う。

 こうした多岐にわたる議論は、中銀ができることについて非現実的な期待をかき立てる恐れもある。大規模な金融緩和にもかかわらずインフレ目標は何年間も達成されておらず、他の目標を加えれば中銀の第一の責務がおろそかになると懸念する当局者もいる。

 しかしエコノミストというより元政治家としてのラガルド総裁の視点からは、政策の再検証は遅過ぎたくらいだ。マイナス金利や資産購入などの政策が一部の国で非常に不人気であることを踏まえ、市民の声に耳を傾けたいと同総裁は考えている。

 具体的にどのような点を検証するかはまだ決定していない。25人から成る政策委員会は、十分な議論の時間を取るため22、23両日の会合を早めに開始するという。22日の夕食会では特に活発な議論が交わされそうだ。

 なぜインフレ率が低いままなのかをまず分析すべきだと大半の当局者は同意している。現在のインフレ目標は「2%弱」で、1%超えにも苦しんでいる。

 低インフレは大半の先進国・地域が直面している問題で、既に指摘されているグローバル化やテクノロジーなどに付け加え得る要因があるかは疑問だ。

 目標の方に問題があるという見方も多い。2%弱という文言が不明瞭だという点に加え、高インフレだけが懸念だった時代の遺物だという要素もある。現在はむしろ低過ぎるインフレとデフレスパイラルがリスクだ。

 高過ぎるインフレと低過ぎるインフレという双方のリスクにECBが同等の重点を置く「対称」な目標へと移行すると多くのエコノミストがみている。

 政策手段も検証の対象となる。これについての手掛かりは少ない。ECBが採用しているマイナス金利と量的緩和(QE)、市中銀行への長期貸し付けについて、ラガルド総裁は副作用があり得ると認めているものの、擁護している。(ブルームバーグ Paul Gordon)

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