海外情勢

中国、とまらぬ新型肺炎拡大に危機感 情報公開に疑問 国際圧力も

 【北京=三塚聖平】新型コロナウイルスによる肺炎の発症者が一気に拡大する事態を受け、中国は習近平国家主席が感染拡大阻止へ前面に出るなど危機感を強めた。春節(旧正月)の大型連休を前に「人から人への感染」が認められ、初動をめぐっては特に情報公開の遅れも指摘されている。世界保健機関(WHO)が緊急委員会の開催を決め、国際的な圧力が高まる可能性もある。

 「全力で感染防止に取り組まなければならない」

 国営新華社通信は20日夜、習氏が感染拡大の阻止へ重要指示を出したと報じた。同日には、発症者の確認数が計200人超に跳ね上がり、中国国内では初となる湖北省武漢市以外での発症者確認も報じられた。感染拡大がとまらない現状に、習氏は危機感を強めたとみられる。

 中国当局の対応をめぐっては、情報公開の面で疑問が残る。武漢市は「限定的に人から人へ感染する可能性は排除しない」と控えめな見方を繰り返してきた。武漢以外での感染疑いの情報は香港紙が先行して報道し、NHK海外放送が新型肺炎に関するニュースを報じた際には放送が中断されるなど、情報管理に神経をとがらせる様子が際立っていた。

 中国のSNS上では「武漢以外ではどうして一例も出ていないのか」と、当局発表を疑う声があがる一方で、「(発症者が増大していないことは)人から人への感染が本当に限定的だと証明している」という受け止め方もあった。中国側は発症者数の急増は検査方法が改善されたためだと説明しているが、当局の抑制的な情報公開の姿勢により、警戒感が十分に高まらなかったことが影響した可能性は否めない。

 今後は国際社会の動きも注目される。WHOは専門家による緊急委員会を22日に開く。ここで「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と認定されれば、感染拡大防止に向けた国際的な対策が強化される。春節前後に多くの中国人旅行客を受け入れる各国では警戒が強まっており、中国は世界の反応を意識せざるをえなくなるとみられる。

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