海外情勢

シンガポール政府“フェイクニュース対策法”を擁護 「言論の自由抑圧せず」

 シンガポールの外交官らが昨年10月に施行された偽ニュース対策法をめぐり、海外メディアや人権団体が判断を誤らせる主張を展開していると批判し、同法を積極的に擁護している。

 当局は「オンライン虚偽情報・情報操作防止法」(POFMA)に基づく是正命令を既に数回出している。米フェイスブックも偽情報を含むと見なされたコンテンツに政府による「修正」を添付するよう求められた。

 シンガポールのフー・チ・シア駐英高等弁務官は英誌エコノミストの編集者に宛てた昨年12月21日の書簡で、同誌の法解釈が間違っていると主張。シンガポールのアショク・ミルプリ駐米大使も米紙ワシントン・ポストに反論。同紙は「オンライン上で表現の自由を抑圧する」法律だとの意見を記事に掲載した。ブルームバーグが入手した書簡によれば、同大使は記事の中で専門家として引用された人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチのアジア局長代理、フィル・ロバートソン氏についても批判した。

 数日後には、シンガポール情報通信省で情報政策を担当するバーナード・トー氏が「虚偽の主張を続けている」とワシントン・ポスト発行人のフレッド・ライアン氏を非難したと地元メディアが報じた。

 ソーシャルメディア各社はPOFMAが事業に影響を及ぼしかねないと懸念。また、シンガポールでは2021年4月までに総選挙が行われる予定で、野党の政治家は反政府派を抑圧する法律だと懸念している。与党の人民行動党(PAP)は1965年のシンガポール独立以降、一貫して政権を維持している。

 シンガポール政府はPOFMAについて、言論の自由を抑圧するものではなく、執行は選挙時期には関係ないと説明。「これは言論の自由と集会の権利の行使を規制する法律、およびその他の法律にも同様に当てはまることだ」と法務省は問い合わせに対して電子メールで回答した。

 フェイスブックの広報担当者はPOFMAが「言論の自由に影響しないとの政府の保証が、慎重かつ透明性のある運用アプローチにつながることを望んでいる」と電子メールでコメント。

 ツイッターの広報担当者は「われわれのサービス、そしてツイッターを利用する人々と組織に対してこの規制が影響する可能性について、引き続き懸念している」と電子メールで表明し、政府に対して慎重な法執行を促した。(ブルームバーグ Philip Heijmans、Yoolim Lee)

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