海外情勢

野党指導者 裁判で徹底抗戦 カンボジア フェイスブック通じ無罪主張

 カンボジアで政府転覆を図ったとして国家反逆罪に問われた旧最大野党、カンボジア救国党の共同創設者、ケム・ソカ氏(66)=保釈中=の初公判が先ごろ、首都プノンペンの裁判所で開かれた。フン・セン政権の弾圧を受ける野党勢力を象徴する指導者で、フェイスブックを通じ「国益を害することには一切関わっていない」と無罪を主張、徹底抗戦の考えを示した。

 カンボジアの民主化後退を懸念する欧州連合(EU)が経済制裁を実施するかどうか判断する節目が2月に迫るが、公判には数カ月かかるとの観測もあり、EUが展開を注視している。裁判所周辺にはケム・ソカ氏の支持者約100人が集まり「不当な起訴だ」などと訴えた。

 ケム・ソカ氏は救国党党首を務めていた2017年9月、外国政府と協力して政権の転覆を画策したとして逮捕された。救国党は当時、党勢を拡大しており、フン・セン首相側は政権交代への危機感を強めていた。ケム・ソカ氏は昨年11月に自宅軟禁を解除されたが、政治活動や外国渡航は認められていない。

 救国党は17年11月、解党に追い込まれ、18年7月に実施された下院選では与党カンボジア人民党が議席を独占した。

 カンボジアをめぐってはもう一人の有力野党指導者、サム・レンシー氏が弾圧を逃れて暮らすフランスからの帰国を昨年11月に計画したが、政権は軍も動員し阻止した。

 EUはカンボジアの主要産品である縫製品の大きな受け皿で、関税優遇措置の停止を検討している。(プノンペン 共同)

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