海外情勢

「ばかげている」との批判も…タイのテレビ局、「レジ袋にモザイク」で議論

 タイではプラスチックごみによる海洋汚染が深刻で、小売り大手が年始からレジ袋配布をやめるなど、国を挙げ削減に取り組んでいる。そうした中、テレビ局の対応が議論を呼んでいる。政府の要請に従い、画面に映るレジ袋にモザイクをかけることにしたためだ。「ばかげている」との批判もあるが、政府は啓発に効果的と反論する。

 政府によると、タイでは毎年450億枚のレジ袋が使われている。政府は2021年にレジ袋をゼロにする目標を掲げ、大手スーパーやコンビニエンスストアが提供を中止した。昨年、プラごみを誤飲したジュゴンの赤ちゃんが死んだことで社会的な関心も高まった。

 政府はテレビ局にも協力を要請。8局がドラマなどニュース以外の番組でレジ袋にモザイクをかけたり、映さないようにしたりすると決めた。

 これに対し、会員制交流サイト(SNS)を中心に「レジ袋を使うのは犯罪か」などと批判が噴出。タイ・ラット紙電子版の世論調査では、テレビ局の規制を支持する人は2割にとどまった。

 タイのテレビ番組では酒やたばこにもモザイクがかかっている。ワラーウット天然資源・環境相は「レジ袋を同列に扱うつもりはない」とする一方、プラごみ削減に全面協力しているとテレビ局の対応を称賛した。(バンコク 共同)

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