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暖冬影響、野菜安値続く 中国産輸入減も影響限定的
農林水産省が19日発表した全国小売店での野菜販売価格の動向(10~12日)によると、キャベツやネギ、タマネギなど調査対象の8品目は平年に比べて2~49%安く、暖冬による安値基調が続いた。
新型コロナウイルスによる肺炎拡大で中国産野菜の輸入が減るなどの影響も出始めているが、スーパーなどの店頭価格への波及は今のところ限定的となっている。
農水省が全国470店舗の小売価格を毎週調べており、10~12日はキャベツが平年より49%安い1キロ当たり116円だった。ダイコンは36%安の120円、ハクサイは35%安の131円となった。ネギは30%安の511円、タマネギは8%安の233円。調査対象8品目はいずれも前週(3~5日)比では大きな変動はなく、安値が続いた。
ネギやタマネギは外食産業や加工食品向けに中国産が使われるケースも多いが、新型肺炎の影響で収穫や出荷が遅れ、輸入に支障が出始めている。
財務省が19日発表した1月の貿易統計では、中国産野菜の輸入量は前年同月比で3.4%減少。農水省の統計でも中国産タマネギの輸入量が2月第2週(2~8日)に前年同期比92%減の大きな落ち込みとなっている。
このため一部の外食や加工業者で国産に切り替える動きもあるが、国産が豊作で輸入野菜の在庫もあるため小売価格に大きな影響は出ていない。
ただ「長期化すると価格に混乱が生じる」(江藤拓農相)可能性もあり、農水省は状況を注視する考えを示している。