道標
市場混乱収まらず金融緩和の限界露呈 局面打開へ大胆な財政の出番
主要中銀による協調緩和と市場の反応が示唆しているのは、追加緩和決定後にパウエルFRB議長とラガルドECB総裁が強調したように、協調的な財政拡大が今後、鍵を握るという点だ。
日欧中銀のマイナス金利政策を含む超低金利策は長期化し、緩和の効果が薄れる中、局面を打開し得るのは大胆な財政出動をおいて他にない。
日本は20年度予算案を19年度補正予算と合わせた15カ月予算として編成し、自然災害からの復旧・復興策を盛り込んだ経済対策を反映させた。
さらに、感染拡大による景気悪化に対応するため緊急経済対策策定の検討に入った。実質的には、同対策に必要な資金の多くを日銀が国債購入などで供給することになる。欧米諸国の財政・金融政策も同様の方向に進みつつあり、日本は政策運営面で一日の長があると言えるだろう。
【プロフィル】山川哲史
やまかわ・てつふみ バークレイズ証券調査部長。1957年新潟県生まれ。一橋大経済学部卒。日銀などを経て、2010年6月から現職。米ブラウン大で経済学博士号取得。専門は日本経済、金利・為替分析など。