海外情勢

数字に表れない新型コロナの「実態」 貧困が深刻なアフリカ

 【カイロ=佐藤貴生】新型コロナウイルスの感染拡大が直撃する懸念が強まっているのがアフリカの貧困層だ。世界銀行によると、アフリカでは貧困層が全人口の約40%を占め、地方では80%を超える。衛生環境が良好とはいえない上に紛争が絶えず、特にサハラ砂漠以南の国々は感染の検査はおろか医療体制も整っていない地域が多い。

 世界保健機関(WHO)によると、6日の時点で千人以上の感染者が報告されているのは約1660人の南アフリカを筆頭にアルジェリア、エジプト、モロッコの4カ国。地下資源や観光などの産業があり、個々の収入もアフリカ全体では低いとはいえない国々だ。

 これに対し、イスラム教スンニ派の過激組織アルシャバーブのテロがしばしば起きるソマリアでは感染者は7人。約5年に及ぶ内戦で多数の避難民が出た南スーダンでは1人しか出ていない。国民の大半が貧しく、検査を受ける人も少ないため感染者数が低く抑えられている可能性がある。

 国連は7日、イスラム過激派が暗躍するマリで46人の感染が確認され、このうち1人は平和維持活動(PKO)のメンバーだと明らかにした。要員の交代も6月末まで停止するとしており、新型コロナの感染拡大がPKOにも課題を突き付けた形だ。

 人口4300万人のウガンダでは48人の感染が確認されているが、ロイター通信によると集中治療ができるベッド数は55しかなく、地元関係者は「感染が拡大すればとても対応できない」と危機感を募らせているという。

 セネガルやトーゴ、ボツワナなどの政府は感染拡大防止のため非常事態宣言を出した。モザンビークでは発令を受け、野党指導者が「政治的抑圧に悪用しないよう、軍や治安部隊が出動する条件を明示すべきだ」と注文を付けた。政府が締め付け強化の隠れみのに使うのでは-との警戒感がにじんでいる。

 コートジボワールでは、住民が感染の検査のための施設を「住宅過密地域に近すぎる」として破壊する騒ぎも起きた。

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