数字から見えるちば

焼酎の製造量全国2位 落花生、多古米など個性派も

 国税庁によると、平成30年度の千葉県の焼酎製造量は14万4279キロリットルと、宮崎県(15万4540キロリットル)に次ぎ全国第2位となっている。

 焼酎どころの鹿児島県(12万6009キロリットル)を抑えて、本県が全国トップレベルの製造量を誇っているのは、連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)を大量生産していることによるもの。すなわち、焼酎の製造方法には、(1)もろみをたるやタンクで発酵させた後、たるやタンク1基ごとにじっくりと蒸留器にかける単式蒸留焼酎(乙類)と、(2)もろみを大型タンクで発酵させてパイプに通し、熱と水蒸気を加えることで気化するアルコール分をパイプ表面の微小な穴などから回収する連続式蒸留焼酎(甲類)があり、前者が原料の風味や味わいが残るのに対して、後者は純粋なアルコールに近く癖がないのが特徴で、酎ハイなどとして飲まれることが多い。

 県内で焼酎を大規模生産しているのは、焼酎のトップメーカーである宝酒造の松戸工場、合同清酒の東京工場(松戸市)、ニッカウヰスキーの柏工場などの大手酒造メーカーで、1960年代の高度成長期に一大消費地の東京都に近いという立地の良さから県内に相次いで立地し、日本酒やみりんなども合わせて製造している先もある。

 一方で生産量は少ないが、全国有数の農業県という特長を生かした個性的な高級焼酎(乙類または甲乙混合)も県内の酒蔵で製造されている。落花生焼酎「ぼっち」は、千葉県産の落花生を100%使用し、落花生の持つほんのり甘い香りと滑らかな口当たりで、今までにない味わいが好評。皇室献上の多古米を使用した米焼酎「めでたいもの」は、日本酒顔負けのフルーティーな米の香りとさらりとしたのどごしが楽しめる。紅あずまを使用した芋焼酎「あずま小町」とともに、多古町のふるさと納税返礼品にも選ばれている。

 君津市の須藤本家では、県産の原料ソバ100%のそば焼酎「花白(かじろ)」の開発に成功した。ソバだけで作られた焼酎は世界初という。

 このように、県内には小粒だが個性豊かな焼酎も少なくない。自宅で巣籠もり生活を強いられる方には、千葉の新鮮な海の幸、山の幸をさかなに個性あふれる焼酎を飲み比べるという過ごし方もあり得よう。コロナ禍の後は、千葉を訪れる県内外の多くの方に千葉ならではの味をぜひ楽しんでほしい。

(ちばぎん総研研究員・小柴早織)

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