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新型コロナで水道料金格差に注目集まる、その差8倍 水利権も料金に影響

 また、節水意識の高まりや人口の減少に伴い、需要が低下すると見込み、業務委託なども推進しながら水道局の職員数をピーク時の半数以下の1318人(平成30年度末)に絞るなど組織のスリム化も進めて低料金を維持しているという。

 同じ大阪府内で最も料金が高いのは京都府と兵庫県に近い豊能町で、4906円に達する。地理的要因が大きいといい、担当者は「山間部に位置するため、大阪広域水道企業団などから供給を受ける費用と、家庭までの配水管やポンプの維持管理費がかさむ。ぽつんぽつんと家があれば、配水効率がどうしても悪くなる」と、過疎化が進む自治体の苦労を説明する。

老朽化施設更新の後回しは将来の負担に

 一方、水道管などの設備の老朽化問題や、人口減少による各自治体の財源確保の厳しさが、今後の水道料金に大きな変化をもたらす可能性がある。課題解決のために、昨年10月の改正水道法の施行をきっかけに、広域連携や官民連携の検討を進める自治体も増えているからだ。

 現在の市町村による経営は限界を迎えており、民間の参画を含めた広域的統合が必要だと主張する近畿大の浦上拓也教授(公益事業論)は「安い水道料金に対する社会的要請があまりにも強いため、自治体が水道料金を値上げできず、結果として老朽化した施設の更新を後回しにしていることにつながっている」と指摘する。「自治体が適切な経営をしてこなかったツケを、将来の利用者が負担させられれば、料金格差が広がる可能性がある」と警鐘を鳴らす。

 水道料金の値上げができないまま、老朽管が更新されなければ、破裂して断水が起こるリスクもある。「見かけ上水道料金は安くても、潜在的に高コスト体質になるという大きなリスクを抱えている」と浦上教授は話す。赤穂市の担当者も「過去に施設の更新をあまり行ってこなかったので、今後、その費用がかかる。今の料金を将来的に維持することは難しい」と打ち明ける。

 新型コロナ感染拡大の影響で、自宅で過ごす時間が増えている今、生活用水としてだけでなく、衛生上の観点からも水道の重要性が注目されている。水道料金について思いをめぐらせる機会も増えた。浦上教授は「水道料金の範囲内で健全な経営を行う必要があり、広域化なのか、官民連携なのかそれぞれの地域にあった手段を考えていく必要がある」と訴えている。

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