海外情勢

テンセント、日本事業拡大へ クラウドに本腰、年内にも

 中国IT大手、騰訊控股(テンセント)はこのほど、日本で昨年から展開しているクラウド事業を、年内にも自動車や電子機器分野に広げる方針を明らかにした。日本企業との協業を従来の主力のゲーム関連から拡大し、2020年の売上高を現状の3倍に高めるという。

 クラウドは、インターネット経由で各種のソフトウエアによる情報処理や大量のデータ管理を利用できるようにするサービス。日本市場では現在、アマゾン・コムやマイクロソフトなど米国勢の存在感が大きい。中国大手が本腰を入れることで競争激化は必至とみられる。

 グループの「テンセントクラウド」で北東アジア地域を統括する趙剣南氏は共同通信の取材に対し「ゲーム事業に加え、今年は動画配信や流通、製造業向けのサービスを強化する計画だ」と述べた。具体名は避けたが、年後半にも自動車大手などと新たに提携する可能性があるとした。同社のクラウドを活用する日本企業の中国市場進出もサポートするという。

 趙氏は、自動車分野では通信機能を備えたコネクテッドカー(つながる車)や安全制御で協業できると説明。電子機器では、人工知能(AI)を活用して製造工程での微細な不具合をチェックするなど、次世代の工場づくりに貢献できるとした。「ゲーム、車、医療といった日本が世界で先行する分野でともに発展したい」と述べた。(北京 共同)

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