海外情勢
中国の新卒が新型コロナで就職難 内定率低迷、留学組との競争も
中国で新型コロナウイルスによる経済減速のため企業が採用を控え、今夏に卒業する大学生の就職内定率が低迷している。20%台の学校もある。パンデミック(世界的大流行)で海外から留学組が帰国していることもあり、競争は激化しそうだ。
インターネットメディアの「澎湃新聞」によると、西北部の寧夏回族自治区の大学や職業専門学校の内定率は6月上旬時点で平均20.5%。自治区の教育庁は、9月までに就職率7割を達成するようハッパを掛けた。
地方の就職戦線はどこも厳しそうだ。山東省の山東科技大で学部に相当する交通学院も内定率は24%にとどまった。湖南省の湖南工業大電気学院は4割程度で、前年実績の83%から半減した。
大都市も状況は大差ない。首都北京で就職率が比較的高いとされる対外経済貿易大も、5月末時点で64%だという。
2020年の新卒者は870万人に上る。金融関係者は「(新型コロナで)留学から一時帰国した人たちが学校に戻れず、中国で就職しようとすれば競争はさらに厳しくなる」と指摘する。
中国共産党と政府は「雇用の安定」を強調するが、20年は都市部の雇用創出の目標を「900万人以上」とし、19年の1100万人から引き下げた。失業率は「6%前後」と、19年の5.5%前後から上昇を容認した。(北京 共同)