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コロナ後の世界 日本は「資本主義4.0」で圧倒的に有利だ

 歴史的に見ると、資本主義の発展段階は図表のように4つに分けることができる。

 第1ステージ(「資本主義1.0」)は、資本が労働より重視された時代だ。18世紀に「産業革命」や「囲い込み運動」を経て、資本主義が成立した当初は、資本家の力が強く、労働者は極めて劣悪な労働環境を強いられた。

 資本主義の第2ステージ(「資本主義2.0」)が始まるのは、1833年に英国で「工場法」が成立した頃だ。この頃から、とりわけ欧州諸国において、資本主義は資本家よりも労働者の権利保護を重視する方向へと徐々に舵を切っていく。

 その後、1970年代末頃から、資本主義は第3ステージ(「資本主義3.0」)に入る。米国のロナルド・レーガン政権(「レーガノミクス」)、英国のマーガレット・サッチャー政権(「サッチャリズム」)に代表される「新自由主義」全盛の時代が始まったのだ。新自由主義とは、簡単に言えば「政府より市場のほうが正しい資源配分を行うことができる」という考え方である。ここでは、資本家の短期的な利益が重視され、労働者は再び厳しい立場に追い込まれた。

 2000年代に入ると、いわゆる「グローバル資本主義」が隆盛を極め、「資本重視」の流れがより一層加速した。いわば、弱肉強食を基本原理とする、強欲むき出しの時代である。

 しかしながら、ポストコロナの時代を展望すると、資本主義は第4ステージ(「資本主義4.0」)に入ると予想される。それは、「資本(お金)」ではなく、「労働者(ヒト)」が付加価値の源泉となる新たな時代だ。こうした変化は今回のコロナショックが起きる以前から既に生じていたが、ポストコロナの時代に環境や格差是正への配慮が強く求められる様になると、より一層拍車がかかることになるだろう。

 「資本主義4.0」を日本は受け入れやすい

 「資本主義4.0」に向けた胎動は着実に生じている。

 第1に、最近のマイナス金利は世界中でお金が余っていることを意味している。つまり、従来と比べて、「資本(お金)」の価値が大幅に低下しているのである。

 第2に、人工知能(AI)の発達も、資本主義に大きな変化をもたらすことになるだろう。単純労働の多くが人工知能によって置き換えられることになれば、企業の付加価値の源泉は間違いなく労働者の対人関係能力や創造性、価値判断能力などに移行するからである。こうした新たな資本主義の枠組みの下で、伝統的に従業員を大切にしてきた日本企業は、再度フロントランナーへと躍り出る潜在能力を秘めている。

 そもそも日本と西洋とでは、宗教・文化・哲学の違いを背景に、労働観や資本主義の観念も大きく異なっている。

 西洋の宗教は一神教で、哲学もデカルトに代表されるように、主客二元論で論理的である。あえて誤解を恐れずに言えば、キリスト教の「原罪」の影響で労働はもともと「苦役」だった。エリート主義・事実上の身分制を是認する考え方から、専門的・スペシャリスト的な職種制を採用し、これはグローバル資本主義--すなわち「資本主義3.0」と親和的であった。

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