Go To トラベル不安な初日 不正利用の懸念も
「Go To トラベル」は、開始前日の21日に事業に参加する旅行事業者の登録を開始するなど不安定要素を抱えたまま、22日の開始初日を迎える。しかし事業開始直前でも制度の変更が相次いでおり、事業の不正利用の懸念も残る。国土交通省は観光事業者への定期監査や立ち入り検査など不正防止に注力するが、多額の税金を投入するだけに公明正大な運営は不可欠だ。
17日時点では補償されないことになっていたキャンセル料は10~17日に予約した分に限って旅行者に全額、補償されることが21日に決まった。一方で旅行会社にはキャンセル料の実際の損失に当たる分のみが事業の予算から補償されることになったため、旅行会社からは不満の声も出そうだが、大手旅行会社は「解約料の補償のために税金を使うのかとの反対意見も聞く。補償してもらってよかったとも言いづらい」と複雑な心境を吐露した。
一方、団体旅行についても17日時点では赤羽一嘉国交相が自粛を求めたため事業の対象外ではという見方が広がったが、21日は一転して「一律に対象外にするわけではない」とした。しかし、実質的には旅行会社が感染対策などを考慮した上で事業の対象となるかを判断するため、旅行事業者団体幹部は「旅行会社が事業の対象と判断してもその後、対象外とされることもあるのでは」と述べた。
トラベル事業をめぐっては10日の事業開始時期の発表後、低額の宿泊と高額な金券のセット旅行など事業の抜け穴を狙った旅行商品の販売が相次いだが、国交省は急遽(きゅうきょ)、金券付きプランを対象外とするなど制度の変更に追われた。今後も制度は二転三転する懸念があるが、宿泊事業者はこう述べた。「東京を目的地とする旅行や都民の除外が急に決まったように、別の地域が急に除外されることもあるかもしれない。政府の対応はどうなるか分からない」(大坪玲央、岡田美月)