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IR開業ずれ込み可能性大 汚職に続き、コロナで候補企業経営難

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)について、政府は2020年代半ばの開業を目指している。しかし、IR汚職に追い打ちをかけるように新型コロナウイルス感染症が流行し、参入を狙う海外カジノ事業者の経営が悪化。政府の手続きや、誘致を望む自治体の準備は停滞しており、開業時期がずれ込む可能性も出てきた。

 米国、マカオなどのカジノは新型コロナの影響で一時、閉鎖。多くは再開したものの、各国の出入国制限で客足回復は鈍い。大阪のIRの有力候補とされる米カジノ大手MGMリゾーツ・インターナショナルは、4~6月の売り上げが前年同期比9割減少。横浜への参入に意欲を示していた米ラスベガス・サンズは撤退を表明した。

 政府はIR誘致を希望する自治体・事業者から計画の申請を受け付け、最大3カ所を選ぶ。今年1月には申請期間を来年1~7月とする基本方針を決定する予定だったが、IR汚職事件で先送りに。

 その後、新型コロナ感染拡大で、手続きは事実上、ストップ。政府関係者は「コロナ収束が見通せず、事業者は日本への投資判断をできる状況ではない」と説明する。野党は26日の衆院内閣委員会で「申請期間に変更はあるのかないのか」と迫ったが、国土交通省は「自治体の意向を踏まえて適切に考える」と答えるにとどめた。

 誘致に名乗りを上げている自治体は横浜市と大阪府・市、和歌山県、長崎県の4地域だ。いずれも事業者選定などが遅れ、長崎県は7月に予定していた公募開始を延期。横浜市も今月19日、実施方針の公表を再延期すると発表した。

 松井一郎大阪市長は「(事業者の)経営状態は悪いと思うが、IRの魅力が失われたわけじゃない」と強調。ただ、IR整備は工事期間だけで3~4年はかかるとされる。林文子横浜市長は、20年代後半としてきた横浜のIR開業は「今の状況だとかなり遅れると思う」としている。

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