海外情勢

中国、8月の製造業景況感が3カ月ぶり悪化 コロナ後の「繰り越し需要」が一巡か

 【北京=三塚聖平】中国国家統計局と中国物流購買連合会は31日、景況感を示す8月の製造業購買担当者指数(PMI)が、前月より0・1ポイント低い51・0だったと発表した。好不況を判断する節目の「50」は6カ月連続で上回ったものの、小幅ながら3カ月ぶりに下落に転じた。新型コロナウイルスの感染拡大が深刻だった時期に消化しきれなかった需要が表面化する「繰り越し需要」が一巡した可能性が指摘される。

 生産に関する指数は53・5で、7月から0・5ポイント悪化した。統計局は、重慶市などでの洪水被害を受け、生産に若干の下押し圧力が掛かったと分析している。一方で、輸出に限った新規受注を示す指数は49・1で、7月から0・7ポイント上昇するなど回復を続けた。世界各国で新型コロナ後の経済活動再開が続いたことが牽(けん)引(いん)したもようだ。

 物流購買連合会は「小規模企業の経営への圧力が増している」という見方を示している。今春以降、中国政府主導で経済再開が進められているが、その恩恵が中小企業にまで思うように波及していないとみられる。それにより雇用環境の回復が遅れているという指摘も出ている。

 PMIは「50」を上回れば生産や受注の拡大を、下回れば縮小を意味する。2月には、新型コロナウイルスの直撃を受けて35・7と過去最低を記録している。

Recommend

Biz Plus

Ranking

アクセスランキング