海外情勢

中国の観光市場回復にインフルエンサーも貢献 名所紹介動画で関心集める

 観光市場の回復では、インターネット上の有名人「網紅(ワンホン、インフルエンサー)」も一役買っている。新型コロナウイルス後の中国で、網紅は各産業にとって困難を打ち破る“突破力”。観光業は網紅を通じた集客で「網紅観光地」を生み出すなどしており、各名所でカンフル剤となっている。

 湖南省張家界市は目下、「網紅経済」の集積地を打ち立て、観光業の発展を促進しようと取り組んでいる。このほど中国動画投稿アプリ「抖音(ドウイン、海外ではティックトック)」を活用して実施した短編動画大会では、網紅の一人である女性の配信動画閲覧数が500万回近くに上った。

 同市は「観光立市」で、毎年国内外から延べ8000万人近くが訪れていた。新型コロナ後、市は抖音や同じく動画配信アプリ「快手」などソーシャルメディアによる集客ルートを開拓。景勝地にあるハート形の湖をはじめ多くの観光資源がこれらを通じて配信され、国内外で数億人の関心を集めた。同市の欧陽斌(ひん)・副市長は「インターネット新メディアの力だ。観光市場が回復に向かうなか、網紅のおかげで上々の評判が得られた」と話す。

 網紅経済の波に乗る地域は多い。河南省文化観光庁は、抖音などに投稿された数千点の作品を活用して「網紅観光ルート」を打ち立てた。内モンゴル自治区は網紅を招いて4日間に及ぶ観光紹介動画を配信し、閲覧者は数千万人に。湖南省長沙市も網紅経済にあやかり、今年上半期の観光客数、観光収入はいずれも昨年同期の85%まで回復した。(中国新聞社)

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