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聖地・高野山でWi-Fi完備の“テラワーク” 仕事がはかどる仕掛けとは

 夕食には精進料理をいただく。ごまどうふやさしみこんにゃく、煮物…。味のしみた高野豆腐は絶品だ。

 おなかも満たしたところで奥之院をめぐるナイトツアー(別途有料)に参加することに。部屋を出ようとした途端、デスクから仕事の問い合わせが…。ゲラのチェックか。少々慌てる。

 奥之院には20万基以上の墓所があるという。杉林の中には武田信玄や豊臣秀吉らの供養塔、さらにパナソニックやキリンなどの企業墓も並ぶ。ナイトツアーでは一の橋から墓石群の間を縫うように参道を進んで弘法大師御廟(ごびょう)を目指すが、夜はやはり不気味だ。

 明智光秀の墓所について案内役の越智さんが説明する。「これまで2度壊れたと伝わります。この先に墓所がある織田信長の怨念によるものといわれます。今の五輪塔(供養塔)の石も割れているんですよ」

 ツアー参加者が息をのむのが分かった。私も全身に鳥肌が立つ。背筋が凍るというのはこのことか。

 ツアーは片道約2キロ。高野山の歴史を学びながら、運動にもなる。大浴場で疲れをとり、部屋で写経を終わらせて就寝した。あっ原稿がまだできていない。

 朝は荘厳な護摩祈祷

 翌朝は、午前6時半からの勤行後、毘沙門(びしゃもん)堂で毎朝行われる護摩祈祷(ごまきとう)に参加した。僧侶が仏像前で、願い事が書かれた護摩木を次々火にくべると、小さな炎は1メートルを超える火柱になった。迫力ある修行に魅せられる人も多いといい、越智さんは「護摩祈祷のために宿泊されるお客さまも多い」と話す。

 朝食後にはPCコーナーを利用。備え付けのコーヒーメーカーもありがたい。なんとか原稿を書き上げた。何の原稿かって? もちろん、探偵記者の仕事、恵光院への潜入ルポだ。

 修行体験で心身ともに解放されると、不思議と次の仕事への意欲もわいてくる。私もすっかり気分転換して山を下りた。

 恵光院では、6月から「テレワーク応援プラン」を設けている。テレワーク目的で、関西や関東の都市圏から訪れる人も多いといい、近藤説秀副住職は「都会の喧噪を離れて、何かに没頭できる場所として使ってほしい」と話す。

 新型コロナウイルス感染拡大までは、体験型の旅行を楽しむ欧州からのインバウンド(訪日外国人)を中心に混雑していたが、今年に入って、予約のキャンセルが相次いだ。そんな中、恵光院ではプランを新設した。

 朝食付き。大人1人1室利用で9500円からとなっている。夕食は追加で頼むこともできる。「テレワーク目的で4連泊された方もいます」と近藤副住職。

 35ある客室は満室にせず、全体の3分の2程度に抑える運用をして、感染拡大防止策も徹底している。

 恵光院の「テレワーク応援」プランの料金は日によって異なり、ホームページや電話(0736・56・2514)などで確認が必要。

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