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「外食への印象好転」に期待 「Go To イート」ポイント付与事業スタート

 政府は「Go To イート」を通じ、新型コロナウイルス感染症で苦境に陥った外食業界を支援する。外食全体の売上高は経済活動の再開に伴い少しずつ戻していたが、感染再拡大で「回復傾向は頭打ち」との指摘もある。感染への不安から外食を手控える向きも根強い中、現場の飲食店は「イート」が逆風を和らげることを期待している。

 東京・銀座のビルに店を構える居酒屋「酒菜庵 ちゃぼうず」。1日夕方に店を訪れると、この日に始まった「イート」のインターネットサイト経由の飲食予約が夜に1件あり、2日以降の予約も複数件入っていた。

 銀座という土地柄、都心の企業の利用が減るなどして、9月の売り上げは前年同月の約5割に低迷。運営会社の幹部、槇尾敦矢さんは「この状況が続くと商売ができない」と苦悩する。

 「イート」について槇尾さんは「これで客足が大きく戻ってくるとは考えにくいが、政府が『外食してください』と言ってくれたのはありがたい。外食に対する世間の印象が良い方向に変われば」と期待する。

 日本フードサービス協会がまとめた8月の外食全体の売上高(全店ベース)は前年同月比16・0%減。マイナス幅は4月の39・6%減を底に少しずつ縮小してきたが、7月の15・0%減から小幅に広がった。感染再拡大の中、お盆の帰省自粛や小中学校の夏休み短縮などが逆風となったためで、協会は「回復傾向は頭打ちとなった」とみる。

 外食の厳しさは倒産件数からも読み取れる。帝国データバンクによると、新型コロナ関連の企業倒産は1日時点で全国571件となったが、業種別では「飲食店」が83件で最も多い。母数が大きいこともあるが、担当者は「もともと他店との競合激化などに直面していた中、新型コロナがダメ押しとなった」と話す。

 野村証券の高島雄貴エコノミストは「感染への不安は当然あるが、『街に出てよいのだろうか』という不安が個人消費のボトルネックだ」とし、「『イート』の実施によって、外食することの社会的な合意がつくられていくことに意味がある」との見方を示した。(森田晶宏)

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