論風
菅新政権の課題 エネルギー政策の正常化を 社会保障経済研究所代表・石川和男
水力は、国内では大型発電所は既に開発し尽くされた。中小発電所も効率を上げない限り、新設は容易ではない。地熱では世界3位の資源賦存量とされる日本。しかし、地熱を掘り当てる技術はまだまだ開発途上。しかも、火山活動が活発な地域や温泉施設が集まる観光地や、自然公園法で保護された場所での開発は難儀。有望な資源だが、実用化への道のりは険しい。
バイオマスについては、燃料の調達方法に課題がある。日本はパーム油などバイオマス燃料の大部分を輸入しているが、タンカー輸送では大量の二酸化炭素(CO2)を排出。国産燃料に切り替えて運搬や加工のコストを抑えられれば、バイオマスは優位な電源となり得る。風力は、立地が容易で風況の良い地域が限定される日本では、そう簡単ではない。さらに、風力発電施設が近隣の景観を損なう恐れがあり、海外では風力の低周波がもたらす人体への悪影響も指摘される。日本でも、地元の同意を得るのが難しい局面が増えている。
今のところ、再エネの主力はメガソーラーを中心とした太陽光発電。日本の太陽光発電量は中、米に続いて世界3位。日本を「再エネ後進国」と見る向きもあるが、実際には「再エネ先進国」といえる。その証拠に、メディアが“お手本”として例に出すドイツより、発電量で勝っている。