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新型コロナで航空貨物業界に好機 真価が問われる“強力な市場”の関空

 翌日未明、関空に初めて降り立ったのは同社の新型機B777F。貨物室の天井を高くするなどして、最大積載量は従来機より約20トン多い約100トンに。ドアを広く取り、半導体製造装置など背丈の高い貨物の搭載も可能になった。日欧間の飛行ではこれまでロシアでの給油が必要だったが、大型化で直行できるようになったため、輸送時間の大幅短縮にもつながった。同社は運航する貨物専用機を今後、すべて新型機に切り替えていく方針という。

 コロナで世界中が苦しむ今、なぜ大型機か。塩谷(えんや)和浩・西日本地区統括部長は「(経済活動で)人は動かなくても物は動く」と説明する。競合するJALカーゴサービスを傘下に置く日本航空も、全国的な貨物需要の動向について「諸外国の生産活動再開に伴ってお盆明け以降、自動車関連を中心に荷動きが回復基調にあり、前年水準の需要に近づきつつある。これに伴い夏場にやや下落した運賃も再び上昇に転じている」と分析。この先も順調に需要は伸びそうだ。

 関空の強み

 ルフトハンザ・カーゴが関空に大型機を投入する理由がもう一つある。市場の規模感だ。

 「強力な市場こそがこの機体の運航にふさわしい。関空はその一つだ」

 シュミット支社長はこう強調する。関空は関西を中心に、中部圏~九州の企業の電子部品や自動車部品などの貨物輸送の中心地を担う。欧州を経由して北米や中南米、アフリカとも貨物の輸出入を行っている。

 さらに新型コロナの感染防止に向けて、開発が急がれているワクチンの輸送も見込む。関空は高度に温度管理できる医薬品専用倉庫を備えており、9月の輸入額のうち医薬品は品目別でトップを占めて842億円に上った。シュミット支社長は「来年以降はワクチンの輸送需要が増え、(低温での管理など)物流が直面する課題は今までになく大きくなる」と予想した。

 関空は国内では珍しい完全24時間空港のため、深夜でも貨物を受け入れ、未明のうちに目的地に飛ばせる優位性もある。4千メートルの滑走路を備えることも大型機の離着陸を可能にする。

 新型コロナによるピンチをチャンスに変えられるか。今、関空の真価が問われている。

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