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「コロナ禍で負担軽減重視」「政策全体での位置づけ不十分」 税制改正大綱で識者談話
10日にまとまった令和3年度税制改正大綱の評価について、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長と立教大経済学部の池上岳彦教授に話を聞いた。
斉藤氏 新型コロナウイルス禍の中での税制改正なので、前年までに決まっていた固定資産税の負担増の先送りなど負担軽減を重視した内容は評価できる。また、新規雇用者の給与増に対して法人税を軽減する「賃上げ促進税制」の見直しは雇用の下支えに寄与することが期待される。
菅政権発足後、初の税制改正で、政権が重視するデジタル化や脱炭素化を推進する項目も目立った。コロナ禍で遅れが明らかになったデジタル化は、設備投資を税制面で後押しすることが必要。改正の方向性は評価できる。
一方、脱炭素化は今回の税制改正によって、どう経済を成長させるのかが見えなかった。議論が不十分との印象が強く、課題が残った。
池上氏 当面の新型コロナウイルス対策で負担軽減を重視した税制改正との印象だ。困窮している人の支援として意義はあるが、新しい負担軽減策を行う際には中長期的に財源を確保するバランス感覚を保つなど、政策全体の中で税制改正を位置づける視点をもっと持つべきだ。
固定資産税の据え置きはコロナによるダメージに苦しむ納税者にとっては負担軽減となるが、税収減になる地方自治体に国がどう手当をするか、今回の税制改正では特に触れられていない。車体課税も菅義偉首相が重視する脱炭素化の流れで燃費を中心とした議論が進んだが、自動車の大きさと用途、道路損傷などを含む交通政策全体の視点も必要だった。