中国を読む
中国経済、世界で「独り勝ち」も景気回復はK字型
ディスインフレ基調
金融緩和によるカネ余りが続くなかで、中国では大都市部を中心に不動産市況は上昇傾向を強めるなどバブル懸念が再燃し、一部の都市では市況抑制に向けて規制強化を図る動きも出ている。一方、社債市場ではデフォルト(債務不履行)が多発しており、金融市場のシステミックリスクに発展する可能性もある。当局は管理監督を強化しつつ、金融市場の動揺に対応して流動性供給を図るなど難しい対応を迫られている。
景気回復が続いているにもかかわらず、11月のインフレ率は前年同月比0.5%減と11年強ぶりのマイナスとなるなど物価は下振れしている。なお、足元の物価下振れは食料品やエネルギーなどの価格下落が影響している点に注意が必要である。ただし、コアインフレ率は同0.5%増にとどまるうえ、5カ月連続の底ばいで推移するなどディスインフレ基調にあることは間違いない。これは雇用をめぐる不透明感が家計の財布のひもを固くするなか、近年の電子商取引(EC)の普及による価格競争激化の動きも物価の重しになっている可能性がある。
家計消費は減税や補助金など政策的な後押しを受けて底入れしているものの、その効果が一巡すれば一転する可能性もくすぶる。一方、資産価格の上昇は資産効果を通じて家計消費を押し上げる動きもみられるなど、中国景気も「K字型」の回復経路を歩む可能性が高まっている。
【プロフィル】西浜徹 にしはま・とおる 一橋大経卒。2001年国際協力銀行入行。08年第一生命経済研究所入社、15年から経済調査部主席エコノミスト。新興国や資源国のマクロ経済・政治情勢分析を担当。43歳。福岡県出身。(浜はさんずいにウかんむりに眉の目が貝の浜)