国内
安価な労働力と利用し続けた日本の「ゆがみ」 行き場ないベトナム人技能実習生
外国人労働者をめぐっては2018年4月、単純労働分野に門戸を開く新資格「特定技能」の創設を柱とした改正入管法が施行。技能実習生からの移行を相当数見込んでいるが、昨年末時点で特定技能はわずか1621人にとどまる。
加えて昨年は、コロナ禍により帰国したくてもできない実習生らが増加。入管によると、少なくとも2万人以上いるとされる。また、コロナの影響で業績不振に陥った実習先の会社から実習生が解雇されたり、実習先自体が倒産したりするケースも出ているほか、新たな実習生が来日できず、農業など人手不足に陥る業界も出ている。
このため出入国残留管理庁は2020年4月、解雇された実習生に対し、人手不足の産業での就労を認める「転職」を可能とする特別措置を実施。9月以降には帰国ができない元実習生も他職種で就労できるよう支援を拡充した。
だが、すでに失踪した元実習生らの闇は深い。9月には、北関東で家畜や果物の大量盗難事件が発生。逮捕されたベトナム人の元実習生らはSNSを介してつながり、盗品をベトナム人コミュニティーで売って生計を立てていたという。
相談窓口なく
「(実習生らが)誰かに相談しようにも、窓口が乏しすぎる」
ベトナム人実習生や、失踪した元実習生らの相談を請け負っているNPO法人「アジアの若者を守る会」代表の沼田恵嗣さんは、こう語る。
2020年に入り、100人以上の相談を受けた。未払い賃金の相談など、就労先でのトラブルで訪れる人は多いといい、必要に応じて労基署などの公的機関へ一緒に赴き、通訳や必要書類の記入などを手伝っている。
「失踪して同胞のコミュニティーの中に潜ってしまえば、社会の目が届かなくなる。国の政策で連れてきたのだから最後まで面倒を見るべきだ」と強調した。