海外情勢

韓国が「密」避け地方で農業 首都圏離れ加速、政府も支援強化

 韓国で首都圏を離れ、地方で農業を始める人が引きも切らない。政府は人口密度が低く、新型コロナウイルスへの感染リスクが小さい「田舎暮らし」を求める人たちが今後も増えると予測しており、支援を強化する計画だ。

 2020年12月上旬、北部抱川。イチゴの香りが漂うビニールハウスで、30代の安海成さんが来客の応対に追われていた。数日前にオープンしたばかりで、収穫はこの冬が初めて。

 安さんは大手建設会社のエリート研究員だった。「一生この仕事を続けていくべきかどうか迷っていたときに(最新技術を活用する)スマート農業に出合った」。安定した職を離れ、農業に転じることに家族は反対したが、18年末に退職。温度や湿度など栽培環境をスマートフォンで管理できるシステムを自ら設計した。「農業は手を掛けただけ成果が出る。時間をどう使うかも自分で決められる」。会社組織の一員として勤めていた頃とは違う魅力を感じている。

 一方、貿易会社を早期退職した60代の金永完さんは、数年前から中部堤川でメロンのような果物ハミウリやスイカを栽培している。「ここまで来るのは簡単じゃなかった」と話すが、今では有名百貨店にも卸すほどの人気だ。

 金さんは「ここは空気がきれい。夏に農業をして冬は遊んで暮らす。焼酎が飲める程度稼げれば十分だ」と笑顔で話す。

 韓国農林畜産食品省の統計によると、最近では毎年1万数千世帯が新たに農業を始めている。地方に移住するのは30万世帯以上に上り、30代以下の若者も多い。

 政府は、こうした動きが地域活性化に寄与すると期待する。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨年11月の「農業人の日」の式典で「起業を夢見る若者らが農村に革新と活力を吹き込んでいる」と歓迎。希望者に対し、準備から定着まで支援すると語った。(抱川、堤川 共同)

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