(4)「GoToトラベル当面再開難しい」
尾身氏「それから大きな自治体でありますから、都と23区のいわゆる保健所の設置の人の関係、いろいろ努力はもちろん関係者がされてますけど、所帯が多いので、なかなか広域の連携が難しいというようなことで、実は他の地域に比べて、いわゆる家庭内感染とか、職場内感染、そういう話が出ますけど、実はあれは感染の伝播(でんぱ)の一番の帰結を見ているので、実はクラスターの感染には必ず原因があるんですね」
「多くの場合は原因の方のクラスターの元が分かることが多いですけど、この首都圏においては他の地域に比べて感染クラスターの源がわからないことが多い。で、このことが実は今回の首都圏の課題の最も重要な問題の1つです。従って先ほどの基準の方のことで言えば、私は大きく分ければ2つあると思います」
「1つは国が設定した基準ですよね。しっかりと医療の方の体制も、負荷がある程度取れるということと、感染の方は今かなり低くなってますけど、しっかりとこれがまたステージ3の方に戻って、いきなりなったら困りますから、やはりステージ3の2の方に近い方に行く。それは今まで何回もいろんなところで語られたことだと思うので」
「もう1つは、今回は2週間延長した意味ですよね。この2週間に何をすべきかということが大事で、それは今言ったように、感染状況、それから医療状況をしっかりさせると同時に、もう1つは、実は首都圏の固有な問題があって、これは感染のクラスターの源が必ずしもどこにあるかわからないっていうのは、これが実態です」
「従ってこのリバウンドを起こす可能性というのが他の地域よりは高いということで、この2週間の間に、ぜひその当該の知事さんたちにお願いしたいのは、解除すれば必ず一定程度の感染の増加っていうのは見られますから。そうしたものが本当のリバウンドにならないような防止策、しっかりとした体制の強化というものを、この2週間の間にしっかりやっていく」
「それが私は2週間か3週間ってのは1週間の違いはあるけども、むしろ大事なことは2週か3週か1週かじゃなくて、この延長した期間に、リバウンドを防ぐための防止策というものを、検査のこともあるし、医療体制の強化もあるし、あるいはいわゆる皆さんおっしゃっているマンボウ(蔓延防止等重点措置)をいつ使うかという、しっかりしたことを考えていく、そういうようなことが、今この2週間の間に私は求められて、そのことができるかどうかというのが、解除のやるときに一つ重要な、当然考慮すべき点になってくると思います」
--観光支援事業「Go To トラベル」再開の時期の見通しは
首相「緊急事態の宣言が延長になり、『Go To トラベル』についても当面の再開は難しいと考えています。今後、各地域の感染状況、こうしたものを踏まえて、専門家のご意見を伺いながら、判断していきたいというふうに思います。いずれにしろ、各地域での感染状況、これさまざまですから、そういう中で、いろいろな地方から要請も来ています。県内だとか、いろいろな要請もきていますけれども、最終的には専門家の皆さんのご意見を伺いながら、そこは判断していきたい。まあ、当面は再開を難しいと考えています」
--東京五輪で海外の観客を受け入れるのは可能か
首相「外国人を入れる場合の対応策、それについてはまだ、入れる、入れないの判断がこれからでありますので、そこについては、私から申し上げることは控えたいと思います。まあ、いずれにしろ、海外の観客については、先日、バッハIOC(国際オリンピック委員会)会長とのいわゆるこの5者会談、この中においては3月中に判断をする、まあ、このことで合意を得ております」
「引き続き変異株の影響だとか、あるいは国内外における感染状況、こうしたものを踏まえて主催者であるIOC、IPC(国際パラリンピック委員会)、東京都、組織委員会の中で検討してまいりたいというふうに思います。また、5者会議の中で、丸川(珠代)五輪相が『変異株の影響などが予測できないなか、現時点で今年の夏の入国の可否を見通すことは困難である。慎重な判断が必要である』。こうしたことを発言したということは私、承知しています」
=(5)へ続く