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脱炭素化を日米が主導 首脳会談で新協定に合意 2030年目標の達成へ協調

 【ワシントン=塩原永久、那須慎一】日本の菅義偉(すが・よしひで)首相とバイデン米大統領は16日に米ワシントンで開いた首脳会談で、「気候変動に関するパートナーシップ協定」を新たに立ち上げた。日米がともに目標としている2050年の脱炭素化の実現につながるような、30年の温室効果ガス排出削減の国別削減目標(NDC)の達成に向けて取り組みを強化する。

 バイデン氏は会談後の共同記者会見で、「気候変動の脅威に対処するため私たちは果敢な行動をとる」と述べ、日米が対策を加速させ、脱炭素社会の実現に向けた国際社会の取り組みを主導する意向を表明。日米が30年のNDCを新たに設定し、それを確実に達成することが、50年までの脱炭素化実現のために不可欠になるとの認識を示した。

 また、菅首相も共同記者会見で、気候変動に関して日米はお互いに欠かせないパートナーだとの認識を示し、「日米で世界の脱炭素をリードすることを確認した」と指摘。「気候変動分野で連携、協力することで一致できたことは極めて有意義なことだ」と強調した。

 日米が合意した新協定では、両国がともに50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げていることに言及。この目標達成に道筋をつけられるような30年のNDCに向けた計画や政策について協議することを盛り込んだ。

 また、インド太平洋地域の発展途上国による再生可能エネルギーの導入をはじめとする環境対策を支援。環境負荷を減らすため、再エネや水素、二酸化炭素(CO2)回収、革新原子力などの分野での技術開発でも協力する。

 バイデン氏は共同記者会見で、22日からオンラインで開く気候変動に関する首脳会合(気候変動サミット)について、菅首相の参加に謝意を表明。日米が、主要国による「野心的な気候変動対策」の牽引(けんいん)役になるとの認識を示した。

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