国内

気候変動サミット 政府は明確な気温目標示し対策を

 田村堅太郎IGES上席研究員に聞く

 バイデン米政権は気候変動問題への関与の度合いが強く、オバマ政権時のように気候外交を積極的に進める路線が復活した。日本を含めた全世界に、2050年の温室効果ガス排出実質ゼロと、それに整合的な30年目標を求めており、気候変動サミットはその機運を高める最初の機会になる。

 パリ協定は産業革命前と比べた世界の気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えることを目指す。1.5度目標の実現には30年までに世界で10年比45%減らす必要があると分析されている。日本はそういった規模の削減が求められていると認識し、高い削減目標を出していく必要がある。

 気温上昇を何度以内に抑えるかという目標は、自国の累積の排出量をどのように少なくしていくかを示すことにつながり、大事な点だ。政府は気温目標を明確にした上で対策を進めるべきだ。

 二酸化炭素(CO2)排出が多い石炭火力発電所の新設には国際的に厳しい視線が注がれており、バイデン政権は電力部門からのCO2排出を35年までになくすと公約している。先進7カ国(G7)の中で、石炭火力を利用するのは日本だけとなり、米国からのプレッシャーが増すだろう。

 国内の再生可能エネルギーは、送電網の運用改善や洋上風力開発などで増やせる。その電源構成比率は少なくとも40%以上になるだろう。実現に向けては、再生エネを優先して使っていくという政治的な意思表示を明確にすることが不可欠だ。(談)

【プロフィル】田村堅太郎 たむら・けんたろう 1971年生まれ、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス博士課程修了。2013年から地球環境戦略研究機関(IGES)上席研究員。

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