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<独自>日本、次世代エネ前倒し 30年に水素・アンモニア火力発電の土台構築

 政府が今夏の取りまとめに向け策定を進めている次期エネルギー基本計画で、火力発電で燃やしても二酸化炭素(CO2)を出さない次世代クリーンエネルギーとして注目される「水素・アンモニア」の実用を急ぎ、2030年の電源に組み込む方針を示すことが21日、分かった。22日からの気候変動に関する首脳会合(気候変動サミット)で掲げる30年の温室効果ガス削減目標にもつなげる。

 菅義偉(すが・よしひで)政権は昨年末、50年の脱炭素に向けた具体策「グリーン成長戦略」で、参考値として水素・アンモニア発電を全体の10%とする電源構成を示した。30年時点でのその割合を「約1%」と具体的に記す。比率はわずかだが、主力電源としての「土台」とする。近く、経済産業省の検討会で示し議論する。

 約1%の内訳の試算は、水素発電の総発電量が30年時点で年間65億キロワット時、アンモニア発電は同82億キロワット時とする方針だ。

 水素発電に関して日本は技術的に先行しているとされ、天然ガスなどと混ぜて燃やし、CO2排出削減につなげるほか、水素だけを燃焼させることができる燃焼器の開発も進む。

 また、肥料などに使われるため流通経路が整備されており輸送も容易なアンモニアについても、発電に活用する開発が進んでいる。着火しにくく燃える速度も遅く、有害な窒素酸化物を出す難点があったが、触媒技術などで問題を克服。安全確保やコスト削減などの実用化研究が進んでいる。

 経産省の試算では、石炭火力の燃料に20%のアンモニアを混ぜると、国内電力会社が排出するCO2の1割に相当する約4千万トンを削減できる。また、技術開発を進めて全ての燃料をアンモニアに置き換えると約2億トン削減し、排出量は半減するという。

 エネルギー基本計画 国の中長期的なエネルギー政策の方向性を示す計画で、おおむね3年ごとに見直す。エネルギー政策基本法に基づき政府が策定する。電源構成や原発の運営に言及し、民間の電力会社などの設備投資計画に大きな影響を与える。政府は今夏の改定を目指しており、菅義偉首相が表明した2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロに向け、脱炭素エネルギーの積極活用を打ち出す方針。

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